水と体の関係

 人間の体の約60%~ 70%は水で出来ています。新生児だとこの数字はさらに高く、体重の約77%が水で出来ています。 しかし、加齢と共に体内水分量は減少していきます。そして、体内水分量の減少は様々な健康障害の遠因となってきます。人間の健康維持と老化防止には水は必要不可欠な存在なのです。
 皆様もご存じの通り、人間(生命)の最小単位は細胞です。
人間は約60 兆個の細胞で出来ていて、日々再生を繰り返し、およそ5年で全ての細胞が新しい細胞に入れ替わると言われています。細胞はタンパク質、核酸、糖質などの生体高分子と呼ばれるもの、さらに脂質やさまざまなイオンなどが複雑な構造で組合わされています。これらの諸要素を結び付けているのが水なのです。

 もう少し具体的に言いますと、水は体内で主に4つの働きをしています。
 1.血液となって体の隅々に酸素や栄養素を運搬する。
 2.体液の構成要素として細胞の働きを助ける。
 3.老廃物を溶かし込み、体外へ排出する。
 4.体温を調節する。

 このように水というものは人間が生命を維持していく上で、非常に重要な役割を果たしています。人間の体内では常に、補給された水は老廃物等で汚れ、汚れた水は体外に排出され、また必要な水を補給するという水の循環を繰り返しています。 
 この体内の水の循環を正常に保つ事は、健康な身体を維持する為にとても重要な事です。無農薬野菜や健康食品、サプリメントなどを摂取して健康に気を遣うよりも、もっと大事な水の補給に気を付けなければならないのです。
 自分の体重10kgに対して、毎日およそ500mℓの水を補給してやれば、この体内の水の循環が正常に機能すると言われています。体重50kgの人では、毎日約2.5ℓの水の補給が必要となります。必要な水の補給は一度に飲むのではなく、およそ2時間で500mℓのペットボトル1本分の水を飲むというような、時間をかけた補給の仕方が理想です。但し、この水の補給はいわゆる水分と呼ばれるお茶やコーヒーやジュース、ビールやお酒では代替できませんので気を付けて下さい。
 なぜならば、水は飲んでからおよそ20 秒~ 30 秒で血液に吸収され、体内で必要な働きを始める事が出来ますが、お茶やお酒ではそうする事が出来ないからです。
 現代人の多くは、良質の水を必要なだけ体内に摂取する事ができず、いわゆる水不足の状態にあり、それが血液をドロドロにして、様々な障害の原因になっていると言われています。健康を維持するためには、ぜひ良質な水を必要なだけ毎日補給するという生活習慣を身に付けましょう。